放射線技師のにちじょ〜。

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ITEMに参加するためにパシフィコ横浜へ行ってきました!

みなさん、こんにちは!いわたろです。

 

今日は放射線技師の方向けに記事を書きました!

先日、パシフィコ横浜で4/12~4/15の期間に行われた国際医用画像総合展(ITEM)に行ってきたので、その報告をしたいと思います。

毎年、パシフィコではこの時期に日本医学放射線学会日本医学放射線技術学会日本医学物理学会、以上3学会合同の学術大会が行われています。

それに加えて展示ホールでは各メーカーが開発、リリースしている最新機器の展示会が行われています。どれも興味深い製品が並んでいて、メーカーの方の説明を聞きながらその製品に触れられるので、本当に良い勉強になります!

 

医療の世界は目まぐるしい早さで進化を遂げています。僕たち放射線技師はそのスピードについていかなければなりません。そのためにはこの春の学会への参加や展示会の見学をすることが必要でしょう。

なのでどの方も仕事があって忙しい身であるとは思いますが、得られるものがたくさんあるので出来るだけ参加した方がいいかもしれませんね!

 

さて、今回のITEMではたくさんのものを見学してきましたが、Varian社の「Halcyon」を目当てにパシフィコまできたというのもあって、今日はその装置の説明をしたいと思います。

 

 

 

 HALCYONとは

まずHalcyonとはなんなのかというと、Varianが開発した最新の放射線治療システムです。Varianは主に放射線治療系の機器を扱っていて、現在は「TrueBeam」と呼ばれるリニアック装置を主に販売しており、おそらく日本のシェアは1位であるかと思います。

 

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これがHalcyonの外観です。いただいたパンフレットに載っていた画像です。見た目はCTやMRIに似ていて、五角形になっていてなかなかオシャレですね!

 

この装置によく似たものとして、Accuray社のTomotherapyという装置があります。ぼくが今回このITEMに参加した理由はHalcyonとTomotherapyは何が違うのかが知りたかったからです。

一体何が違うのか・・・一応少しは聞けたのでそれを次の項で説明します。

 

HalcyonとTomotherapyの違い

それでは僕の分かる範囲で簡単にですが違いを以下のようにまとめてみました!比較対象はTomotherapy の最新機種「Radixact」です。

 

 

Halcyon

Radixact

energy

6MV FFF

6MV FFF

dose rate

800MU/min

1000MU/min

口径

100cm

85cm

照射方法

回転照射

ヘリカル回転照射

固定多門

固定多門

CBCT撮影時間

15sec程度

3min程度

治療時間(Total)

10min程度

10min程度

MLC駆動方式

ダイナミック方式

バイナリー方式

RTPs

Eclipse

Precision

設置期間

2週間程度

2ヶ月程度

 

こんな感じです。間違っていたらすみません、コメントにでも構わないので是非教えてください!

別にどちらが良いのかを検討するための比較ではなくて、あくまでそれぞれの特徴はなんなのかを知るために比較しました。一応念のため。

 

さてまずはエネルギーから。どちらも6MV一本のようですね。ユーザー側からすると精度管理の観点から一本の方が楽でありがたいです(笑)。6MVは非常に使い勝手の良いビームだと思うのでこのビーム一つで十分だということでしょう。

 

Dose rateはRadixactの方が高いようです。これはスループットに関係してくる部分なので高い方が望ましいですが、治療時間(Total)の部分を見ていただけると分かると思いますが、治療時間はそこまで変わらなそうです。というのもHalcyonのCBCTはなんと15秒で撮影できるからです!早すぎてホントびっくりしました。なので線量率が多少低くてもスループット自体は問題なしです。

 

そして装置の口径ですが、Halcyonの方がずいぶんと広い設計になっています。これは患者様にとって優しい構造であると言えるでしょう。リニアックに比べて閉鎖感があるのがこの装置の悪いところです。閉所恐怖症の方の治療をする際に少しでも不安感を和らげられるという意味でとても良いと思いました。といってもRadixactの85cmも十分広い構造です。

 

照射方法ですが、どちらも固定多門照射はできるようです。違いはヘリカル回転照射の有無です。Radixactは頭から足先まで寝台が動くのでTBIもできますし、動かした際の寝台のたわみをなくすために反対側に寝台の受け(カウチキャッチャー)が存在します。対してHalcyonは照射中に寝台を動かすことはできないみたいです。なので通常の回転照射での治療となります。というのもHalcyonは最大照射野が28x28cmと大きいのでボリュームを持って照射ができるため寝台を動かす必要がないんです。ちなみにRadixactは体軸方向(Y方向)が5cmなので基本はヘリカル照射になりそうです。

 

このことから考えると、Tomotherapyは1台目の治療装置として導入する際の選択肢に入りそうですが、Halcyonはどちらかというと2台目の治療装置として導入されることが多そうな気がします。メーカーの方の話によると、日本ではまだどの施設にも入っていないようですがアメリカでは10施設程度ですでに稼働しており、やはり2台目以降として購入されているとのことでした!

 

MLCの駆動方式はHalcyonではリニアック装置と同様に照射中に連続して動かすダイナミック方式のようです。一方Radixactではバイナリー方式です。MLCの開口時間で線量分布を調整しています。

 

治療計画装置について、RadixactはTomotherapy専用のPrecisionを使います。そしてHalcyonはリニアックでも使われているEclipseです。なのですでにEclipseがある施設では購入する必要はなさそうです。でも別途ライセンスは必要なのかも?

 

最後に設置期間ですが、Radixactの場合、2ヶ月程度だそうです。はじめこの期間を聞いた時、「意外に短いな〜」って思いました。リニアック装置だときっと半年近くかかる気がしますが・・・。しかし、Halcyonはさらに上をいく2週間です!さすがに早すぎです(笑)。こんなにすぐ治療が開始できるというのはひとつの魅力といえますね。

 

まとめ

いかがだったでしょうか。

今回は放射線治療の装置についての書きましたが、ほかにもすごい装置がたくさんありました!どの分野もぐんぐん進化していってることをヒシヒシと感じて、このITEMの参加は僕にとっていい刺激となりました。

今年の春の学会は終了しましたが、もし機会があれば是非来年度の学会、ITEMに参加して見てください!意外と楽しいですよ!

 

では今日はこのへんで。