【診療放射線技師国家試験対策】X線管装置について簡単におさらい!【診療画像機器学】

みなさん、こんにちは!いわたろです。

 

今日はX線管装置について、簡単にまとめていきたいと思います。

X線管装置とその周りについては国家試験で高頻度で出題されています。なのでX線管装置に関してはしっかりと理解をしておいて損はないです。

今回はX線管装置について、特に大事なものをピックアップしていきます!

 

とっても簡単なX線管装置

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Fig1. X線管の簡略図

 

実焦点と実効焦点のちがいは?

フィラメントから熱電子が放出され、陰極-陽極間の電界に従ってターゲットへ飛んでいき、ターゲットという物質との相互作用でX線が発生するというのは周知であるかと思います。

ここで、フィラメント-ターゲット軸の衝突面を実焦点、ターゲット-X線軸の衝突面の幅を実効焦点と呼びます。注意したいのは、実焦点は衝突面、実効焦点は衝突面の幅であることです。また、実焦点と実効焦点の軸が成す角度をターゲット角と呼びます。このターゲット角がX線管の特性を決めるとても重要な要素です。

具体的にターゲット角がX線管の何にかかわってくるのかというと、半影サイズであったり、短時間許容負荷であったり、ヒール効果であったりです。

それぞれについて、ターゲット角が小さいほど

半影サイズ・・・小さくなる(実効焦点サイズが小さくなるため)

短時間許容負荷・・・許容値が大きくなる(実焦点面積が増えるため)

ヒール効果・・・影響が大きくなる

(X線軸方向のターゲット厚が陰極側と陽極側とで差が大きくなるため)

といった関係になります。

一般に、回転陽極のターゲット角は5~10°程度とされています。以下、実焦点、実効焦点、ターゲット角の簡略図です。

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Fig2. 実焦点、実効焦点、ターゲット角の関係

実焦点をL、実効焦点をℓ、ターゲット角をθとすると、三平方の定理から

ℓ=Lsinθという関係式が成り立ちます。

ここで、実焦点は角度θの鋭角を持つ直角三角形の斜辺であると考えると、実焦点と実効焦点の関係は常に

実焦点>実効焦点

であるということも覚えておきましょう!

 

焦点外X線って?

ターゲットからX線が発生することは当然として、実は実焦点の外からもX線が発生しているのは知っていますか?発生するX線の中には焦点外X線というものが存在します。どういうものなのでしょうか?

 

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Fig3. 焦点外X線

フィラメントから発生した熱電子がターゲットに衝突してX線が発生するわけですが、その過程でX線だけが出るわけでなく、2次電子も発生しています。その2次電子が一度ターゲットの外へ出てきたとき、その2次電子がフィラメント-ターゲット間に発生している電界の影響を受けて再びターゲットに衝突します。そのとき、実焦点の外で衝突してそこからX線が発生したものを焦点外X線というわけです。

ここで覚えておきたいのは実焦点からより離れた位置で発生した焦点外X線はエネルギーが高いということです。というのも2次電子のエネルギーが低ければ低いほどターゲットの外へ出たときに電界の影響をもろに受けてすぐにターゲット内へ散乱方向を偏向されてしまうからです。2次電子のエネルギーが高ければ電界に対してある程度逆らって進み、より遠くまで飛ぶことができるわけです。つまり実焦点から離れた場所で発生したX線は高いエネルギーを持った2次電子によるものなので、その焦点外X線のエネルギーも高くなるという原理です。

この焦点外X線は固定陽極よりも回転陽極でより多く発生します。それはターゲット面積が回転陽極のほうが大きく、その全体で熱電子との相互作用が起きているからです。焦点外X線は写真コントラストを著しく低下させます。なのでX線可動絞りの中の奥羽根によって焦点外X線をある程度カットしています。

ブルーミング効果って?

ターゲット角は実焦点サイズを決める大きな要素ですが、実焦点はそれだけで決定されるものではありません。

ターゲットに向かって飛んでいく熱電子は当然それぞれがマイナスの電荷をもっています。それを集束電極によって線束を狭めさせているわけですが、マイナスの電荷同士が飛んでいるわけですので、互いにクーロン斥力が発生してしまいます。そのクーロン斥力によって結果として実焦点、実効焦点を大きくしてしまい、半影サイズが大きくなります。このクーロン斥力による焦点サイズ増大の過程をブルーミング効果と呼びます。

ブルーミング効果は低管電圧、大管電流であるほど影響が大きくなります。管電圧が低いほど熱電子の持つエネルギーが低くなり、クーロン斥力の寄与が相対的に大きくなります。また、管電流が高いほどフィラメント-ターゲット間の電子密度が増加するので電子線束が広がりを持ってしまいます。

まとめ

まだまだ重要な事項はあるかとは思いますが、今回はとりあえずこの辺にしておきたいと思います。今回の内容は診療放射線技師国家試験でいうところの診療画像機器学に該当します。

診療画像機器学はそこまで難しくない科目ですし、そもそも難しくしようのない科目とも言えます。ただただ覚えてさえしまえばそのまま点数に直結するので早い段階で覚えておくことをお勧めします!

 

では、今日はこのへんで!